◆ 滝屋本店 ◆ 依田 静司さん

滝屋本店 依田静司さん

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■お店の歴史創業当時~現在の変遷~いつ頃どんな商売から現在に至っているか?

善光寺仲見世の中ほどに間口の広いお土産物屋さんが滝屋本店です。

創業は明治のはじめ、滝屋旅館として、現在地から参道を隔てた向かい側で旅館をしておりました。

昔は千曲川を隔てた上田、松代、稲荷山といった城下町が交通の要として栄えていましたが、長野に鉄道の駅舎が整備され、善光寺と共に長野は発展してきました。

昔はお伊勢参りのような「講中」という善光寺参拝の団体が各地で組織され、年に一度代表者が何日もかけて善光寺に徒歩で参拝していた時代ですので、宿坊では宿泊客もあふれてしまい、旅館も多かったのです。

長野駅から善光寺まで多いときには60軒を超える旅館がありました。旅館に併設して土産をやっていましたが、戦後間もなく、土産物屋としての商売に特化して現在に至っております。

■昔と今で商売の形態や商品構成はどのように変わってきたか?

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講中の参拝団は町や村の代表でしたので、土産も多く売れました。

特にうちが土産を始めた頃は「絵がみ」と言って、新聞ぐらいの大きさの紙に善光寺の歴史、
一代記が描かれたものが売れていました。

徒歩での参拝のため重くかさばるものでは帰りの荷物になります。
地元への土産としては他に,箸やしゃもじ、日光盆に善光寺を描いたものがよく売れてました。
帰路にも時間がかかるため、今のような菓子や食品は殆ど無く、わらじ、まわた、笠、手ぬぐいなどの生活必需品が多かったです。
現在は講中も減り善光寺参拝の土産を配るという習慣も少なくなったのでしょう、自分用に土産を買うお客様が殆どです。

■現在の売れ筋商品はどんなものですか?

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中越屋製菓の善光寺まんじゅうは根強い人気です。

大河ドラマ真田丸が人気ですが、当店では以前から松代焼きに注目し、
窯元に直接依頼したオリジナルの松代焼きも揃っています。

また味噌漬けや醤油豆も製造元にオリジナルをつくって頂いたりと、
滝屋本店でしか買えないこだわりの逸品を数多く揃えています。

最近は地元長野県内でつくられるワインや日本酒も人気です。
また当店には県下の銘醸地に実際に訪れ、自らの舌でテイスティングし、
これぞと思ったものしか仕入れない酒類担当者がおりますので、安心してお求めいただけます。

  • misoduke
    味噌漬け
  • matsushiroyaki
    松代焼き

■お客様(参拝客)の変化?

宗教的な意味合いの参拝から観光へと変わってきているように感じます。

講中(団体参拝)からマイカーで来られる家族単位の旅行が増えていますので、おやきやソフトクリームなどその場で消費できるものが売れますね。

昔ほど土産物が売れる時代ではなくなってきています。

■今後どのようなお店を目指していきたいか?

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滝屋本店では奥に休憩スペースがあり、お求めいただいた「おやき」を店内でゆっくり召し上がることができます。

少し中を覗いて、足を止めてくれるお客様と会話を楽しめるようなお店にしていきたいと思っています。

善光寺へお越しの皆様、スタッフ一同ご来店をお待ちしております。