◆ 市川つけもの店 ◆ 市川幸江さん
市川つけもの店 市川幸江さん
3代目 市川幸江さん(左)と4代目 鈴子さん(右)
◆お店の歴史創業当時~現在の変遷いつ頃どんな商売から現在に至っているか?
漬物が食卓に並ばなくなってきたと言われる現代。
そんな中でも信州の人はお漬物をよく食べると言われます。
今回は善光寺仲見世でおつけもの店を営む市川つけもの店3代目・市川幸江さんにお話を伺います。
「初代から数えて創業90年余り前になります。
最初はこの場所(仲見世通り)ではなかったんですよ。
お店を始めた時は横町(仲見世通りがある元善町の東側に位置する)で八百屋を始めました。
でも戦時中はその八百屋もままならず、仕事を求めて北京に渡ったんです。
そして戦争が終わってようやく日本に戻り、貯めたお金を元に当時空き店舗だった仲見世に土産店を開業したんです。
当時は今の様に情報や流通もままならず、自ら県内各地を回り仕入を行い商っていました。
ただその頃から野沢菜(漬物)を主軸にしていたこともあり、今から28年前に店の形態をつけもの専門店にしました。」
◆やはり信州人の食文化は漬物文化
「ここ(信州)には海は無いけど山の幸は豊富です。
わたし達(信州人)はお茶の時間になれば必ず漬物が出ます。もちろんご飯の時にも必ず漬物を出します。
それも1種類ではなくて2〜3種類並ぶことも珍しく無いですよね。
そんな信州人の漬物文化がもっと広く知ってもらえればという思いで、1990年に漬物専門店に変わりました。」
◆それでは「これ」という逸品を教えてください
「やっぱり野沢菜ですね。
その他にはたけのこ、きのこ、なす、ごぼう、椎茸やこごみの醤油漬け、
またただの醤油漬けではなく溜まり醤油を使ったたまり漬けなどもおすすめです。」
漬物は各家庭で漬けるのが当たり前
しかしそれも時代の移り変わりとともに変わってきていると市川さんは話す
「今では家で漬物を漬ける家が少なくなりましたね。
この辺りでも例えば今の季節(12月)ならお菜洗い(野沢菜を漬けるための下準備)の光景をよく見たものですが、
最近ではすっかり見なくなりました。
信州の食文化の風物詩が見られなくなってくるのは寂しいですね。」
◆今後「市川つけもの店」が目指すもの
「日々感謝、日々良い行いを心がけ、少しずつでいいから商売が良くなってくれればいいです。
30年前から達磨を買い続け、今ではこんなに大きな達磨を買う様になりました。
仏様、神様に感謝の日々です」
そう語る市川幸江さんのお店には、熊手や達磨の縁起物が随所に飾られていました。
市川つけもの店(いちかわつけものてん)
営業時間・10:00~16:00(おおよその目安)
定休日・不定休(比較的水曜日が多い)
駐車場・なし